往復書簡(N氏編)002-003

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002
ひえたろう 

> 宇宙の平均温度が -270℃ってのについてですが。
> これはたぶん、2.7K (K=ケルビン; 絶対温度)の宇宙背景輻射のことを指して
> いると思います。これは宇宙に「充満する光(フォトン)」の温度です。昔はもっ
> と高かった。これはまさに宇宙が膨張しているから、温度が下がっています。
 

 あれ? ってことは、「宇宙の平均温度」というのは私の勘違いだっ
たわけですな。あくまで宇宙の「一部」であるフォトンの平均温度って
ことか。
 
 しかし「宇宙背景輻射」って、なんか奇妙な名前ですなあ。(^-^;
 
> この輻射は、宇宙初期に物質が宇宙全体で熱平衡状態にあったものの名残りです。
> 今は平衡状態ではないのだけれど、ほとんどのフォトンが遮られずに地球にま
> で到達するので、一様に温度が下がったように見えて観測されます。

 
 なななんと。☆_☆ 平衡状態じゃないのか。
 しかし同じ「平衡状態ではない」にしても、初めは平衡状態で今は違
うってのが、なんとも奇妙ですなあ。(^^;
 そういう臨界点があるとか、そういうことですかねえ。
 
> ちなみにどう下がるかというと、宇宙のサイズ(二点離れたところにそっと置
> いた物体同士が宇宙の膨張のみによって離れていく距離と思ってください)に
> 反比例します。
>
> 宇宙の場合の問題は、いろんな温度のものが混在していること。たとえばガス
> (水素とかヘリウムとか)の宇宙の平均温度は、実はめちゃめちゃ高くて、
> 10^7K 程度と言われています。高温のガスがあるところから出るフォトンはも
> ちろん高温で、X線とかで観測される。太陽の周囲のガスだと、10K~10^4K ぐ
> らいのものが混在している。エネルギー密度ってことでいうと、2.7Kの宇宙背
> 景輻射が必ずしも支配的ってわけではないのだな。

 
 うーん。つまりはトータルでの宇宙の平均温度ってのはそれらをみん
な総合して考えねばならんと。
 
> ちなみに、宇宙背景輻射と同様に、宇宙背景ニュートリノっちゅーのもあって、
> こちらはもう少し温度が低いです。熱平衡から脱した時代がちょっと早かった
> もので。
>
> で、宇宙背景輻射と宇宙がこの先どうなるかってことは、その通り関係してい
> ます。ただし、この宇宙背景輻射(現在2.7Kの)の温度がどうなるかは結果で、
> 原因は宇宙が膨張するか収縮するかになります。上で書いたように、温度はサ
> イズに反比例するので。
>
> 宇宙が膨張しつづけるかどうかは、内部のエネルギーがどれだけあるかによる
> わけですが、必ずしも(グローバルな)エネルギー保存則が成り立つわけではな
> いです。

 
 うへえええええええええええええ。
 そういう気もしていたが、やはりそうなのか……。
 
> というのは、たとえば「真空のエネルギー」なるものがもっともエネ
> ルギー密度が大きいと思われていますが(最近はダークエネルギーとかかっこ
> つけて言われている)、これはいわば空間の属性みたいなものなので、膨張す
> ればするほど、体積に比例してエネルギーが増えることになります。

 
 むむむむむ。
 そういうのもエネルギーなんすか。
 
> 真空のエネルギーに次いで密度が高いのはダークマターですが
> # 宇宙のエネルギーの 96% は「ダーク」なもので占められているらしい。(^^;;
> # 水素などのよく知っている物質は4%。
> # フォトンは無視できます。

 
 ん? フォトンが無視できるのは量的に?エネルギー的に?
 
> これは振舞いとしては普通の物質に近く、「物」というか「ツブツブ」という
> か、まあそんなものと思って大体よいです。なので、膨張しても宇宙に含まれ
> る全ダークマターの量は変わりません。

 
 うむぅ……。
 ちゅうことはダークマターさんは、原子などでは構成されていないに
も拘わらず、そういう物質のような働きをすると??
 
 わけわからんす。(^^;;



003
ひえたろう 

> > 宇宙の平均温度が -270℃ってのについてですが。
> > これはたぶん、2.7K (K=ケルビン; 絶対温度)の宇宙背景輻射のことを指して
> > いると思います。これは宇宙に「充満する光(フォトン)」の温度です。昔はもっ
> > と高かった。これはまさに宇宙が膨張しているから、温度が下がっています。

>
>  あれ? ってことは、「宇宙の平均温度」というのは私の勘違いだっ
> たわけですな。あくまで宇宙の「一部」であるフォトンの平均温度って
> ことか。
 
うん。
解説の人がわかりやすく言おうとしてそんな風に言ったのかもしれんけど。
ただまあ、太陽の光がこない宇宙空間に物体をほっておけば、やがてはその温
度には落ち着くでしょうなあ。

 
>  しかし「宇宙背景輻射」って、なんか奇妙な名前ですなあ。(^-^;
 
そうかな。(^^;;
慣れてしまったのか、違和感がない。
Cosmic Background Radiation ですな。

 
> > この輻射は、宇宙初期に物質が宇宙全体で熱平衡状態にあったものの名残りです。
> > 今は平衡状態ではないのだけれど、ほとんどのフォトンが遮られずに地球にま
> > で到達するので、一様に温度が下がったように見えて観測されます。

>
>  なななんと。☆_☆ 平衡状態じゃないのか。
>  しかし同じ「平衡状態ではない」にしても、初めは平衡状態で今は違
> うってのが、なんとも奇妙ですなあ。(^^;
>  そういう臨界点があるとか、そういうことですかねえ。
 
物質の状態と密度の違いによります。
宇宙初期は高温のため全部イオン化されていて、陽子と電子がバラバラになっ
ています。そういう電荷を持った粒子とフォトンは相互作用しやすいので、フォ
トンはすぐに物質にぶつかってしまい、やがて平衡状態に達します。
温度が下がってくると、電子は陽子につかまって中性粒子になります(再結合
という; 宇宙の歴史では最初の結合なのだが、なぜか再結合ということになっ
てる。recombination)。そうすると、フォトンはぶつかるものがいなくなって
まっすぐ進むようになり、フォトンと物質の相互作用が切れてお互いが勝手な
進化をはじめるわけ。
 
もっと温度が下がってくると、別な理由でまたイオン化されるんだけど(これ
はまだなぜかはよくわかっていない; たぶん出来たての銀河が UV 光をガンガ
ン出してイオン化したか、クェーサーなどの特異天体による UV かなんかによ
ると思われている)、こんどは物質の密度がスカスカすぎて、フォトンはほと
んどぶつからなくなります。

 
> > ちなみにどう下がるかというと、宇宙のサイズ(二点離れたところにそっと置
> > いた物体同士が宇宙の膨張のみによって離れていく距離と思ってください)に
> > 反比例します。
> >
> > 宇宙の場合の問題は、いろんな温度のものが混在していること。たとえばガス
> > (水素とかヘリウムとか)の宇宙の平均温度は、実はめちゃめちゃ高くて、
> > 10^7K 程度と言われています。高温のガスがあるところから出るフォトンはも
> > ちろん高温で、X線とかで観測される。太陽の周囲のガスだと、10K~10^4K ぐ
> > らいのものが混在している。エネルギー密度ってことでいうと、2.7Kの宇宙背
> > 景輻射が必ずしも支配的ってわけではないのだな。

>
>  うーん。つまりはトータルでの宇宙の平均温度ってのはそれらをみん
> な総合して考えねばならんと。
 
そう。
なにを見たいか、というのを最初に設定してあげないと、ね。
宇宙のエネルギー密度の指標としての平均温度を見たいのか、宇宙の進化の名
残を理解するために宇宙背景輻射の温度を見たいのか、物質の進化を見るため
にガスの平均温度を見たいのか、とか。

 
> > ちなみに、宇宙背景輻射と同様に、宇宙背景ニュートリノっちゅーのもあって、
> > こちらはもう少し温度が低いです。熱平衡から脱した時代がちょっと早かった
> > もので。
> >
> > で、宇宙背景輻射と宇宙がこの先どうなるかってことは、その通り関係してい
> > ます。ただし、この宇宙背景輻射(現在2.7Kの)の温度がどうなるかは結果で、
> > 原因は宇宙が膨張するか収縮するかになります。上で書いたように、温度はサ
> > イズに反比例するので。
> >
> > 宇宙が膨張しつづけるかどうかは、内部のエネルギーがどれだけあるかによる
> > わけですが、必ずしも(グローバルな)エネルギー保存則が成り立つわけではな
> > いです。

>
>  うへえええええええええええええ。
>  そういう気もしていたが、やはりそうなのか……。
 
うむ。そうなのだ。
ただ、普通の物質については保存則がなりたってると思っていいです。
ちなみに局所的には、当然常にエネルギー保存則が成り立っています。
# というか、そうだとして話を進めるわけだが。

 
> > というのは、たとえば「真空のエネルギー」なるものがもっともエネ
> > ルギー密度が大きいと思われていますが(最近はダークエネルギーとかかっこ
> > つけて言われている)、これはいわば空間の属性みたいなものなので、膨張す
> > ればするほど、体積に比例してエネルギーが増えることになります。

>
>  むむむむむ。
>  そういうのもエネルギーなんすか。
 
そうなんですよ、困ったもんだ。
 
> > 真空のエネルギーに次いで密度が高いのはダークマターですが
> > # 宇宙のエネルギーの 96% は「ダーク」なもので占められているらしい。(^^;;
> > # 水素などのよく知っている物質は4%。
> > # フォトンは無視できます。

>
>  ん? フォトンが無視できるのは量的に?エネルギー的に?
 
エネルギー的に、です。
物質の場合は密度x光速^2 でエネルギー密度になるし、フォトンの場合は温度
^4 がエネルギー密度に比例するので、それで比較できます。

 
> > これは振舞いとしては普通の物質に近く、「物」というか「ツブツブ」という
> > か、まあそんなものと思って大体よいです。なので、膨張しても宇宙に含まれ
> > る全ダークマターの量は変わりません。

>
>  うむぅ……。
>  ちゅうことはダークマターさんは、原子などでは構成されていないに
> も拘わらず、そういう物質のような働きをすると??
>
>  わけわからんす。(^^;;
 
うむ、わからんのだ。(^^;;
ただ、まあなんらかの粒子ではあると思っています。候補になってる素粒子は
幾つかあって(アキシオンとかニュートラリーノとか)、実験屋さんが必死に探
してます。
普通の原子とは違うけど、素粒子ではあるであろう、と。
# ミニブラックホールである、という話もあるのだけど。

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このページは、hietaroが2005年9月 9日 02:08に書いたブログ記事です。

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