往復書簡(N氏編)000-001

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 先日、『夏休みこども科学電話相談』で聞いた話として「宇宙の平均温度」のことを書いた。

 先日、これについてN氏からメールにてフォローをいただいた。

(もちろん私が↑を書いたのはN氏のフォローを期待したからであるが。*^_^* ……って、じゃあ何か? 私がこの欄でああいうことを書くのは、そのままN氏への解説要求だってことか? フッ……そう受け取っていただいて結構。\(^O^)/)

 以来、少しばかりN氏とメールの往復が続いている。
(つまり、説明してもらうたびに私に「?」マークが湧くので(^^;、果てしなく説明が必要になるってこと(^^;;;;; )

 というわけで、例によってこれを御紹介しようと。(もちろん許可は取ってるよ)

 だってさ。実際、こういうのに答えてくれるのって、かなりのエネルギーと時間が要ると思うんだ。私1人で独占するのはとてももったいない。
 N氏への感謝とともに、できればできるだけ多くの人と分かちあいたい、と、そういうわけ。

 一度に出すにはあまりに量が多いので、餃子と同じく(^^;小出しにしていこう。

 ま、新たなコーナーができると思っていただければ。

 読む気力がある人は是非読んでみて下され。(^^;

 読んでいただくとわかるはずだが、私は単なる文系モノだ。

 なのでN氏も私に合わせてかなりかみ砕いて説明してくれている(ハズ(^^; )。

 わかってる人は私の物わかりの悪さを笑ってくれればよろしい。(^^;;

 まあ、この全部とは言わない。この中のほんの一部でもいいから、皆さんの茂樹になれば……じゃない、刺激になれば、もっけの幸い。


000
ひえたろう 

 この夏前半の『夏休みこども科学電話相談』で聞いたことだが。

 宇宙の平均温度は、-270℃だそうだ。

 ちなみに絶対零度は-273℃。

(ガッコで習ったはずだけど念のため言っておくと、物理的に-273℃以下の世界ってのは有り得ませんので。高温には限界がないがないけど、低温には限界があるのだ)

 へえええ。

 そうか、この3℃が、われわれ生物の躍動の根拠なわけだなあ。
 素敵な話だ。

 で、ビッグバンの時にはもっと高かったのが、低くなってきているのだという。

 へえええ。

 これはあれか、宇宙が膨張してるからなのかな。
 分母が増え続ければ、値も小さくなり続けるってことだろうから。

 れれ、そうだとすれば。

 エネルギー保存の法則がそんなにマクロなレベルでも成り立ってるとすれば(知らんけど)、これはつまり、宇宙がこれからも際限なく膨張を続けるか否かっていう問題につながる???

(つまり宇宙が膨張すれば宇宙の平均温度は下がり続ければ、最終的には-273℃に限りなく近づいていくはずで。それは結局、無限に膨張するってことなのか、それとも……という話になるんじゃないかと)

 わからんが。

 うむ。

 やっぱり『夏休みこども科学電話相談』はいいね。いろいろ考えさせてくれる。\(^O^)/


001
ひえたろう 

亀レス?だけれども。

宇宙の平均温度が -270℃ってのについてですが。
これはたぶん、2.7K (K=ケルビン; 絶対温度)の宇宙背景輻射のことを指して
いると思います。これは宇宙に「充満する光(フォトン)」の温度です。昔はもっ
と高かった。これはまさに宇宙が膨張しているから、温度が下がっています。
この輻射は、宇宙初期に物質が宇宙全体で熱平衡状態にあったものの名残りです。
今は平衡状態ではないのだけれど、ほとんどのフォトンが遮られずに地球にま
で到達するので、一様に温度が下がったように見えて観測されます。
 
ちなみにどう下がるかというと、宇宙のサイズ(二点離れたところにそっと置
いた物体同士が宇宙の膨張のみによって離れていく距離と思ってください)に
反比例します。
 
宇宙の場合の問題は、いろんな温度のものが混在していること。たとえばガス
(水素とかヘリウムとか)の宇宙の平均温度は、実はめちゃめちゃ高くて、
10^7K 程度と言われています。高温のガスがあるところから出るフォトンはも
ちろん高温で、X線とかで観測される。太陽の周囲のガスだと、10K~10^4K ぐ
らいのものが混在している。エネルギー密度ってことでいうと、2.7Kの宇宙背
景輻射が必ずしも支配的ってわけではないのだな。
 
ちなみに、宇宙背景輻射と同様に、宇宙背景ニュートリノっちゅーのもあって、
こちらはもう少し温度が低いです。熱平衡から脱した時代がちょっと早かった
もので。
 
で、宇宙背景輻射と宇宙がこの先どうなるかってことは、その通り関係してい
ます。ただし、この宇宙背景輻射(現在2.7Kの)の温度がどうなるかは結果で、
原因は宇宙が膨張するか収縮するかになります。上で書いたように、温度はサ
イズに反比例するので。
 
宇宙が膨張しつづけるかどうかは、内部のエネルギーがどれだけあるかによる
わけですが、必ずしも(グローバルな)エネルギー保存則が成り立つわけではな
いです。というのは、たとえば「真空のエネルギー」なるものがもっともエネ
ルギー密度が大きいと思われていますが(最近はダークエネルギーとかかっこ
つけて言われている)、これはいわば空間の属性みたいなものなので、膨張す
ればするほど、体積に比例してエネルギーが増えることになります。
 
真空のエネルギーに次いで密度が高いのはダークマターですが
# 宇宙のエネルギーの 96% は「ダーク」なもので占められているらしい。(^^;;
# 水素などのよく知っている物質は4%。
# フォトンは無視できます。
これは振舞いとしては普通の物質に近く、「物」というか「ツブツブ」という
か、まあそんなものと思って大体よいです。なので、膨張しても宇宙に含まれ
る全ダークマターの量は変わりません。
 
というわけで、宇宙の地平面内でエネルギーが保存しているかというと、必ず
しもそうではないです。ないですが、膨張を続けるかどうか、ってのと、エネ
ルギーの話は密接な関係にあることはその通りです。
 
 
サクッと返信するつもりが、計算しながらなんかダラダラ書いてしまった。(^^;;
夏休みオジサン科学相談室、ということで。

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このページは、hietaroが2005年9月 7日 02:22に書いたブログ記事です。

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