ニセ科学フォーラム2009

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 恐らくSSFS大先生は今頃、必死で「ニセ科学フォーラム2009」あたりのキーワードでググって当日どんな話がされたのか(というか、マイナスイオンの話があったのかどうか)を必死で情報収集していることでしょう。

 SSFS大先生。このエントリまで検索でたどり着いてここまで読んだのなら、逃げずにこれ↓に返答してね。

SSFSさんへ
http://ameblo.jp/fireflysquid/entry-10098023096.html

 というわけで、ニセ科学フォーラム2009に行ってきた。

 菊池さん、左巻さんはそれぞれニセ科学概論、『水からの伝言』の話。
 ニセ科学問題をすでに知っている人にとっては確認事項だけれど、多くの人にニセ科学問題の存在と内容を伝えるためのフォーラムなので、これはこれでいい。というか、特に菊池さんの話は、毎回やらないといけない話なんだと思う。

 天羽さんは吉岡との訴訟の話。
 主にどういった法律が問題になって、どういう展開になったのかを話した。条文やそこの問題点なども解説し、詳細でなるほどと思ったが、割り当て時間(25分)を考えるともう少しざっくりした話にして展開が追えるようにした方がよかったかなとも思った。

 Scienthroughという学生団体の代表から活動の報告もあった。社会と科学者とのコミュニケーションを模索しそれを実践していくことは、これからの彼らの研究者としての人生の糧になるだろうし、その経験が蓄積され共有されるようになれば、社会全体の財産にもなるだろう。

 彼らの活動に文言としての「ニセ科学」は出てこない。発表の中でも最後に少しだけ出てきただけで、会場からの質疑では「最後の方にとってつけたように『ニセ科学』と絡ませられましたけども(笑)」と言われていたが、実はそんなことはない。
 「ニセ科学問題」として捉えられている問題のかなり重要なものの1つに、「どうして人はそんなものを信じてしまうのか?」という問題があり、これは一朝一夕で解決したり何か特効薬があるような話ではない。結局のところ社会自体が多かれ少なかれ変質するしかないのであって、とすれば彼らがやっているような地道な活動こそがかろうじて有効なのだと思う。つまり彼らの活動は「とってつけた」どころか、むしろ「ニセ科学問題」のもっとも王道的な(しかしかなり気の長い)解決法なのだ。

 このフォーラムのメイン講演は藤田一郎教授による「脳の迷信」。

 といっても「ゲーム脳」の話じゃない。
 最近流行の「脳科学」についての話。
 これが非常に良かった。

 藤田教授は『脳ブームの迷信』の著者。

 この本は教授が大学の授業でやっていることの延長(スピンオフ)としてできあがったものだそうだが、本にまとめて発表する動機には、最近の「脳科学」ブームの中で「脳科学」そのものがあまりに杜撰な理解をされており、近頃は脳科学=ウサン臭いという目ですら見られるようになったことがある。実際、マスメディアでは自称「脳科学者」が、脳科学者から見れば非常にいい加減な話をあたかも「脳科学」の成果であるように振りまいているのだという。そうではなく、脳科学は(あたりまえながら)ちゃんとした学問であるし、そのような誤解が世に蔓延するのであれば(自分のお父さんも脳トレを買っちゃったそうだ)、やはりこれは正すべきだと考えたという。

 今回の講演で藤田教授は、「脳トレ」ブームを初めとした脳科学にまつわる「迷信」について語った。
 「脳トレ」で言われる「脳を活性化する」という表現そのものが、脳科学で言う意味と世間一般に捉えられている意味とではズレがある。

脳の活性化が証明されたトレーニングのみを厳選して収録しています」(「脳を鍛える大人のDSトレーニング」のサイトより)

 とか

「計算問題を早くして、音読で本を読むと、脳が活性化する

 とか言われた場合、私たちは「脳の機能が向上した(回復した)」と受け止める。
 しかし脳科学で「脳の活性化」という時、それは単にある特定の脳の部位の「血流量が増加した」ことを指す。そこに「機能や性能が高まる」というような意味はない。

 このことを「脳トレ」を監修している川島教授が知らないはずはなく、それでも誤解を誘発する表現をそのままにしているのは......ねえ、と。


サイトの説明

 また、「脳トレ」が脳の機能向上に役立つ根拠の1つとされている論文(学習療法によって前頭葉機能テストの成績が上がったとするもの)にも、この結論を導くには致命的な問題があることが指摘されている。これについては御丁寧に「脳トレドリル」の注釈にそれをエクスキューズする内容の記述がある。これは川島教授が論文(根拠)の問題点に気付いているからこそ潜り込ませてあるのだろうし、だとしたらそもそもこんな論文を「根拠」にはできないだろう。(......だからこの論文を根拠にしては脳トレドリルのコンセプト自体が成立しない)

 藤田教授は落ち着いた話し方の中に知性とユーモアを感じさせる、語り手としても信頼感を与える人だった。

 このへんの話は知らなかったから非常に面白く、興味深かった。

 しかしまあ、びっくりするくらい盛況だった。

 あんど、懇親会も盛況だったようだ(私は最初の懇親会の閉会直前に合流)。

 皆様、お疲れ様でした。

ニセ科学フォーラム2009

・予告編

・MBS「VOICE」による報道

突然食いたくなったものリスト:

  • 冷蔵チョコバナナ

本日のBGM:
Machine Made Dog /ANTHEM

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コメント(6)

 肖像権も含めて吉岡氏と争っている最中なので、私の顔写真は削除してください。

対応しました。

 迅速な対応、ありがとうございます。

 実は、明日尋問予定の、東京地裁の裁判ですが、名誉毀損と同時に、第三文明の取材記事と一緒に出た私の顔写真のスキャン画像を吉岡が長期にわたって公開したことについて、肖像権侵害も入れて請求しているんです。

 準備書面では、私が取材に答えた内容について広く紹介して批判したいのなら、取材の文書内容だけをテキストで紹介すればいいのであって、顔写真は不要だろう(第三文明には掲載を許可し、その本の読者に見られることまでは想定したが、広くネットに公開されることまでは予定していない)という弁論をしています。吉岡は、何かを主張するなら顔写真も出せ、といった意味の主張をしてきています。
 この争いのため、勤務先大学の公式サイトでも写真は出しておらず、大学が出している学部案内の研究室紹介でも写真をどうするかが問題になっている状態です。
 第三文明以外では、いつだったか朝日新聞読者向けポータルサイトの年始特集の取材記事に出ているだけで、そのときの説明も「新聞読者用のサイトである」ということで、範囲を限っての公開であったと認識しており、そのことを、明日裁判所で説明の予定なんです。
 こういう状況なので、顔写真をネットに出されるのは非情にまずいのです。どうかご理解ください。

 いえ、折角お話をしていたのだし、その時一言確認すればよかった話でした。
 
 要らぬ手間をかけさせてしまい、申し訳ありません。m(_ _)m

一カ月も経ってからこんなことを言うのもアレですが、ふと想い出してググってみたところによると、「VOICE」は朝日放送ではなく「えんびーえす」毎日放送の番組みたいですね。関西圏では視聴率トップのニュース番組で影響力も大きいとか。

>黒猫亭さん
 
うわわわわわ。
ありがとうございます。いやあびっくり。(^^;;;;
 
我ながらアホな間違いです。
確かに「えんびーえす」でございました。
本文を訂正しました。
 
ちなみに現大阪市長の平松邦夫氏は「VOiCE」の前身番組「MBSナウ」のキャスターでございました。

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