今年もまた数々のラーメン本の先陣を切って『噂のラーメン 2010 関西版』が発売された。9月30日発行で「2010」を謳うんだから、ほんと早いねえ。店舗情報が欲しいのでやっぱり買ってしまうわけだが、相変わらずのダメ本だ。(^O^)
#どうダメかは以前、「ラーメンガイドブック比較(加筆訂正版)」というエントリに書きました。
今回の『噂のラーメン 2010 関西版』の巻頭特集は、「こんな日はあの店の看板娘に会いにイコカ」。タイトル通り、ラーメン店の看板娘?ばかりを集めている。
ほんとこの本は「毎年出る」ということ以外取り柄のないコなんだけど(^^;、今回は輪をかけてダメだね。何だよこの特集。
某店の「看板娘」なんか、「この本が出る前にもう辞めてましたよ」だって。そりゃそういうことも普通にあるだろう。誰だって予想できるよね。
要はページさえ埋まれば情報の質や信頼性なんてどうでもいいと思ってるんだよ。(この本読んでその看板娘に会いに行ってもその子はいないわけで、客としてはまぁそんなもんだろうとも思うが、情報を提供する側までが「そんなもん」だと思って作ってどうするよ)
しかもその「看板娘」たちのプロフィールも不必要に細かくて、こんなこと公表してやるなよとこっちが引いちゃう。

こんな感じ
アンケート用紙みたいなのを渡して埋めてもらったのをそのまんま載せてるのだろう。「書いたのは本人だし、掲載の許可ももらってますから」なんてエクスキューズを用意してそうだが、プライベートな情報を素直に細かめに書いちゃった女の子の脇の甘さをそのまんま垂れ流してどうするよ。安易で無責任すぎる。
#ちなみに私が看板娘を選ぶとしたら、天翔らーめん、紡、綿麺、東成きんせい......かなあ。(^O^)
掲載されている多くの店は昔の記述を少しずつリライトするだけで、写真も使い回し。ずっと写真が変わってない店も多い。
広域地図も相変わらず使えない。
ただ、索引は前と少し変わって、「ラーメン」で始まる店名を「ら」行に置かないようになった。例えば「ラーメン天下喜」なら「ら」行ではなく「た」行にあると。これは以前に比べればかなりの進歩だ。その改善の意志はちゃんと評価しなくちゃいけない。ようがんばった。
でも、やるんならもっと徹底的にやればいいのに。中途半端にやるから、今でも「中華そば」で始まる店名はそのまんま「た」行にあるし、「麺屋じゃんぷ亭」だって「ま」行にある。「堺ラーメン塩専門龍旗信堺本店」も、もちろん「ら」行にではなく「さ」行にある。

「ラーメン大和」は「や」行、しかし「ラーメン・餃子北斗」は「ら」行。
ほとんど無法地帯だ。(^^;
だからさー、そんな索引じゃダメなんだって。
簡単な話じゃないか。「麺屋楼蘭」なら「ま」行にも「ら」行にも、両方に書けばいいんだ。「堺ラーメン塩専門龍旗信堺本店」なら「さ」行だけじゃなく「ら」行にも書けばいい。そうすればどちらで探したって見つかるんだから。検索で一番大切なのは「見つけられる」ってことだよ。「1店1項」みたいなつまらん固定観念に引きずられるからこういう使い勝手の悪いものになるのだ。
あるいは手間を惜しむから、こうなる。確かに「正式名称」(これだってあやしい)だと決めてしまえば後は楽だろうよ。でも楽なのは編集者であって読者じゃないんだよねー。(>_<)
あと、索引を府県別にするのもやめたらいいのに。(大阪の店を50音順に並べて、次に兵庫の店を50音順に......というやり方)
店名の右側におおよその住所が書かれているのだから、わざわざ場所で分ける必要なんてないよ。むしろ店名だけ判ってて場所を知らない場合はまず大阪のところで探して、なかったら次は兵庫で......と、二度手間、三度手間になる。その地域内限定で見つけたい人は、右側の住所を見て目的の府県以外は弾けばいいだけのことだ。そもそも分けなきゃいけないくらいたくさんの紹介店数があるわけじゃないでしょ。
本文の府県別のトビラのところにその府県での掲載店の一覧(と掲載ページ)は載っているんだし。

兵庫のトビラ
さらに、これは『関西激うまラーメン』(昭文社)でも同じようなのがあったけども、個別紹介記事にある「麺・スープ・量の完全データ」ってのはこれ、誰かの役に立ってるの?

麺・スープ・量のデータだが......
いや、役に立ってればもちろんそれでいいのだけども、私はこれを参考にしたことが一度もないので。本文と写真を見ればだいたい判るし、「おー、極太麺だから行こうかー」とかになるのかなあ??と。まあ最近流行りの「大盛り」好きの人なら参考になりそうな気がすね。でも、だったらそういう観点でそういう項目を作ればいいんじゃないかなあ。
さらにもう1つ。掲載店にはちゃんと献本しろと。(^^;
特に新規取材をしない店(前年度版から情報の変更がないか電話で確認するだけ)に対してはかなりいい加減になってきている様子。3店くらいで「そういえば去年ももらってない」という話を聞いた。
それって、ちょっとずつ効いてくるよ。チェックも甘くなるだろうしねえ。
もう1つの特集「人気ラーメン店のサイド&ウラメニューガイド」はなかなか面白かった。本道でないことは確かだけど。
で、索引の話をもう少し。
先の「ラーメンガイドブック比較(加筆訂正版)」というエントリに書いたとおり、こういう情報誌の場合、索引は記事そのものに劣らないくらい重要なものだと思う。たくさんの店を載せることに夢中で索引がちゃんとしてない本はダメダメだ。
例えば去年の年末に出た『ラーメンWalker 関西 2009』(カドカワ)なんて、信じられないことに索引そのものが存在しない。(^^; この本は掲載されてる店がここがやってるインターネットサイト「グルメWalker」(掲載有料)に登録している店ばかりで、カネの臭いがプンプンしてた。「掲載すること」そのものがカネを生むなら、読者の利便性なんて二の次でいいわけだ。本自体の小売価格が安いの(¥580)も、何となく納得できる。
#ただ、『ラーメンWalker 関西 2009』の「ラーメン温故知新」という巻末特集は関西ラーメン年表とともに面白かった。
その『ラーメンWalker 関西 2009』とほぼ同時期に発行された『最新! 最強! 究極のラーメン 2009 関西版
』(ぴあ/¥780)は、掲載店の質だけではなく、索引という1点をとっても『ラーメンWalker 関西 2009
』とはかなり差をつけたものになっていた。
この本の索引は「理想的」とまで言えないかもしれないが、かなり利便性の高いものになっていて、最近のラーメン本の中では特筆すべき手間のかけようだと思う。全部が全部役に立つわけではない(^O^)が、この志が嬉しいじゃないか。

『最新! 最強! 究極のラーメン 2009 関西版
五十音別は残念ながら地域別になっている。「ら」行(ラーメン)、「ま」行(麺)がやたら多いのもダメ。
しかし、例えば沿線別に駅名で調べられたり......、

沿線別Index
あるいは「目的別」として、ファミリーで行っても大丈夫な店や、深夜営業の店、無化調の店、駐車場完備の店などが調べられるようになっている。

ファミリーOK!! キッズメニューのあるお店

〆の一杯に使える! 深夜営業のお店

ヘルシーで体に優しい!! 無化調ラーメンのお店
#ん? ああ無化調ね。まぁいいじゃないか。いちいちそんなに目くじら立てなさんな。
これだけ充実した索引のラーメン本はあんまりないよ。
記憶にあるのはエルマガジン社の『うまラーメン』(1997)という本にあった、深夜営業店の索引くらいだ。

参考:『うまラーメン』の深夜営業店の索引
まあ他にもあったとは思うけど。
これで広域地図があれば(検索性では)ほとんど最強となりそうだが、残念ながらそれはなかった。それでも「4大エリア麺探MAP」ということで大阪キタ、大阪ミナミ、三ノ宮・元町、河原町の4エリアの地図が掲載されており、これもそこそこ便利だと思う。(ただ個人的にはこういうマップが作れるほど密集した繁華街にあるラーメン屋にはあまりうまい店がない気がするので、私にはあまり意味がない。(^^; なかなか難しいところ)
あと前にも書いたけど、14:00頃から18:00頃までの時間帯でオープンしている店の索引もあればとても役に立つと思うんだよね。これも個人的な希望。
......ということで、ほぼ同時期に発行された体裁もそっくりのこの2冊だが、実は格段にクォリティが違うと思う。
この話を去年の年末には書こうと思っていたのに、完全に忘れていた。(^O^) 『噂のラーメン 2010 関西版』をきっかけに思い出してしまったので、遅ればせながらではあるが書いてみた。
■以前に書いたこの2冊の話。
・究極のラーメン2009関西版
http://taizo3.net/hietaro/2008/11/2009.php
・『究極のラーメン』と『ラーメンWalker』
http://taizo3.net/hietaro/2009/01/walker.php
・『究極のラーメン』と『ラーメンWalker』と『噂のラーメン』
http://taizo3.net/hietaro/2009/02/walker_1.php
突然食いたくなったものリスト:
- きつねどん兵衛
本日のBGM:
Smoke on the Water /FRIED PRIDE
大江戸の火消し /

こんにちは。
>お江戸の火消し
「題名のない音楽会」でこんなのやってたんですね。
これを見てから王様の「深紫伝説」を聴き直しました。
深紫伝説は衝撃でした。
特に、「こんなくだらねえ歌詩の曲だったのか……」という発見が。(^O^)
日本メタルの歌詩も結構イタいんですが、「本家」までこうだとは思ってなかったというか。