カドヤ食堂@今福鶴見

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 今年の1月以来。
 御無沙汰している間に自家製麺に切り替えており、これは是非行ってみないとと思っていたのに、それっきりになっていた。
 私の中ではかなりウマい店という認識で、先日、友人KR氏から「醤油ラーメンならどこがうまい?」と聞かれた時も、

一信はもうないしなぁ......。とっかりカドヤ食堂かなあ」

 などと答えた。(とっかりはつい先日初めて行ったばかりなんだけど、うまかったなあ)

 ところが後日、そのKR氏からメールが来て、「カドヤ食堂に行ったけど、全然ダメだった」と......。

 まさかそんなことはあるまいバカ舌め~(^O^)と言って笑ったが、確かに私自身しばらく行ってないし、その間に自家製麺への切り替えという大きな転換もあったのだから、そこで何らかの変化があっても不思議ではない。これはやっぱり自分で確かめておかないとね。

 というわけで、久しぶりに行ってみた。

 10分ほど行列して店に入れた。相変わらずの人気店だ。厨房に橘氏の姿はなく、若い2人の兄ちゃんとホールの女性が店を回していた。
 KR氏は中華そば、私はつけそば(¥850)を頼んだ。



つけそば(¥850)@カドヤ食堂

 具はチャーシュー、ネギ、ナルト、穂先メンマ。
 つけ汁は鶏ガラ豚骨(訂正:豚ウデ肉)醤油。結構魚介が前に出ている。酸味、甘味が強い。唐辛子で辛味もある。油多め。
 麺は太平ストレート。

 ここのチャーシューはほんとたまらんなあ。プラチナポーク万歳! \(^O^)/
 つけ汁は「つけ麺の元祖・大勝軒以来、つけ麺はこういうものでしょ」という声が聞こえてきそうだ。前回食べた時(自家製麺やる前)からさほど変わっているわけではなさそうだ。ただ、前回よりも魚介系由来っぽいエゴみがあるようにも思った。柑橘系の後味は、柚子のカケラとか入ってるのかな。

 しかし自家製麺になったという麺は確かに前に比べて随分と変わったように思う。
 製麺所(千葉製粉製?だったか)時代の麺は、全粒粉入りの、結構加水が高いツルツルした、しかし太さにバリエーションを持たせた変わった麺という印象だったが、現在は全粒粉を使わない、結構タテヨコ比の大きなエッジのはっきりしたオーソドックスな形状的の平麺になっている。
 茹で具合も抜群で食感もよく、麺そのものはそれなりによくできている。



以前の麺


現在の麺

 ただ、残念なことに、前に使っていた麺の方がこのつけ汁には合っていると思う。
 ここも塩元帥も、あるいは他の店でもそうなんだけども、最近、つけ麺に平麺を合わせたがるところが多い。
 塩元帥なんて、最初は丸麺だったのを途中から平麺に切り替えた。平麺は結構評判がいいらしい。私は丸麺の時の方が圧倒的にウマかったと思うんだけどなあ。
(訂正:塩元帥の前の麺は中太麺で、丸麺じゃないです。何を勘違いしていてこう書いたのか。(^^; 中太麺の時は16番。現在は10番で平麺)

 平麺って、食べ始めの印象はいいと思うんだ。ちょっと歯応えが目新しく感じられるから一瞬新鮮で、2口3口の勝負なら結構うまい。ただそれ以降は丸麺に比べて歯応えが単調で、ずっと麺の食感を楽しむのは難しい。その意味では私の中の平麺の印象は塩の濃い塩ラーメンに似ている。最初の数口がベストであって、食べ終わりまでその嬉しさが持続しないという。
 この手の平麺って案外、扱いが難しいんだよなあ。麺自体は面白いのにあまり活かせる使い方がない。塩ラーメンや和え麺には合うと思うんだけど、他はなかなか難しい(もっとコシが強ければ喜多方ラーメンみたいな方向もあるのだろうけども)。そういえばこの店は現在和え麺を出しているはずで、それはどの麺を使ってるのかなぁ? ......とにかく平麺はつけ麺にもあんまり合わない。合いそうに見えちゃうけど、そのへんが罠だ。よっぽどしっかりした麺とそれを受けるスープがないと、最初はよくてもすぐに飽きてしまう(前の麺の時はそれがちゃんとできていたと思う)。しかし多くの店がこの罠にあっさり引っかかっているんじゃないかな。最近のつけ麺ブームの中でつけ麺の麺として平麺を選ぶ店が増えているのは、ちょっと残念に思ってる。

 是非、平麺の呪縛から抜け出してほしい。
 いえ、極める方に行ってもいいんですけど。

 KR氏の食べていたラーメンを数口食べさせてもらった。
 横からもらっただけなのであまり大きく言えないが、こちらはつけそば以上に残念に思った。極細麺は面白い。ただこれも、まだこの麺を中心としたバランスは確立できていないと思う。
 勝手な想像ながら、ひょっとしたら橘氏はこの麺に惚れてしまったのじゃなかろうか。惚れると客観的に見られない。そういう意味での「惚れる」。
 つけそばよりもこちらの方がスープが変わったように感じた。麺に合わせる形で変えたのかなぁ? 真相はよく判らない。魚介系がずいぶん前に出ているという印象(カドヤ食堂の組み立ては、中華そばつけそばも随分東京風だよね。ナルトを使ってることからもかなり意識しているのだと思う)。
 でもこの麺を活かすのはこのスープじゃないと思う。
(数口食っただけなので大勘違いの可能性もあります)

 ......中華そばにせよつけそばにせよ、自家製麺になって、現在は試行錯誤の段階だと思う。

 まだ半年だもん。

 きっと橘氏はこれらを完成形だと思ってはいないだろう。麺そのものも、全体のバランスも。
 正直、中華そばつけそばも、今より製麺所から買ってた頃の方が旨いと思う。喩えば昔90点だとしたら、現在は60点。じゃあ製麺所から買い続けていればよかったのか?といえば、それが店主の志だろう。90点のままでずっと行くのか、90点よりも91点、91点よりも92点......を目指すのか。後者だからこそ、自家製麺に切り替えたのだと思う。となれば数年は試行錯誤が必要で、なら今60点でもそれはある意味当たり前のことだ。製麺は難しい。将来の100点のために現在の60点は必要なのだ。(100点、90点、60点などの点数は喩えなので真に受けないように)

 この日の前後はそれまでの夏の暑さが一変し、Tシャツでは肌寒く感じるくらい気温の変化があった。ひょっとしたら今回の麺はその影響があったのかもしれない。1~2月頃から自家製麺を始めたそうだから、この季節の変わり目の変化は初めての経験のはずで、「たまたま」今回のような麺だったという可能性もある。
 つい先日(2009/09/08)の毎日新聞に京都の製麺所・麺屋棣鄂の記事が載っており、そこに「『自家製麺だからすべておいしい』ということにはならない」との文言がある。何をしゃらくさいと思いつつ(^O^)、それは真実だとも思う。少なくとも経験に差があるなら。「経験」というのはたくさんの要素を含むけども、「(気候その他の)変化に対応する」という部分はプロとしてかなり大きなアドバンテージだろう。これはやっぱり数をこなさないと。

 というわけでカドヤ食堂は自家製麺という新たなステージで1から進化している最中であると、私はそう納得した。

 KR氏はバカ舌ではなかったというのは癪に障るが。(^O^)

 相変わらず行列もできているし、実際には多くのお客さんの支持を得ているのだと思う。だからこの私の感想も全く的外れなのかもしれないんだけどね。

突然食いたくなったものリスト:

  • くるみ餅

本日のBGM:
Technopolis /YELLOW MAGIC ORCHESTRA
東京ワッショイ /遠藤賢司
東京物語 /近田春夫&ハルヲフォン

『SOLID STATE SURVIVOR』が1979年、『東京ワッショイ』と『電撃的東京』が1978年の発売。高度成長期から安定成長期に入り、「世界の中の日本/日本の中の東京」に対する日本人による自意識に変化が起こってきた......ということか。......とか。(^O^)




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コメント(2)

こんにちは。
カドヤ食堂さんの麺の写真を拝見いたしました。
以前の麺は縮れ麺のように見えます。新しい麺は平麺のストレート麺でしょうか。
以前自家製麺はコスト的に有利である事は聞いたことがありますが,hietaroさんのお話からすると,そのお店は結果的に単なるコストダウンをしただけになってしまっただけかもしれません。家で麺を作ってみた感想は“難しい”,“深い”です。新しいスープの開発と同様の手間だと思います。
>というわけでカドヤ食堂は自家製麺という新たなステージで1から進化している最中であると、私はそう納得した

好意的に見れば,そういう意見も頷けますが,私はもっと邪悪で未完成品の麺を食わされたという最悪の感覚を抱くこと間違いなしです。
こちらは圧倒的に縮れ麺が多いです。麺切の後にゴムローラーで圧縮して縮れをつけるようですが,仕上げは一人前分づつ,手でぎゅっぎゅっと押してさらに縮れを付けるのが定番です。福島喜多方のラーメンもそうですが,中華そば系のラーメンは他から比べ“だしが無い”と言われる地域ですのでスープが絡みやすい縮れ麺が主流なんですね。私は縮れ麺の口の中でのぼこぼこ感が好きです。カドヤ食堂さんの麺も茹でる前に手でぎゅっとやると食感がかなり変わって面白いかなと思います。

ところで,私はつけ麺を目にした事が少ないので食べ方が良くわかりません。蕎麦のように垂れ下がる先だけたれに付けるのでしょうか,それともどっぷりつけるのでしょうか。

>つんちゃんさん
>そのお店は結果的に単なるコストダウンをしただけになってしまっただけかもしれません。
 
まあ製麺機の導入コストのような初期投資、人件費などを考えると、採算が取れるまではまだ「コストダウン」とまでは言えないのかもしれないですけどね。
 
>私はもっと邪悪で未完成品の麺を食わされたという最悪の感覚を抱くこと間違いなしです。
 
いや、麺の完成度自体はさほど悪くはないんですよ。
ただ全体のバランスとしてこのつけ汁には合わないなあ、と思うだけで。って、それじゃダメなんですけど。(^O^)
 まあこれはこの店のこれまでの姿勢が信頼できるものだった、という前提があるから言えるんですけどね。
 
>ところで,私はつけ麺を目にした事が少ないので食べ方が良くわかりません。蕎麦のように垂れ下がる先だけたれに付けるのでしょうか,それともどっぷりつけるのでしょうか。
 
好みによるのだと思います。
私自身は初めからどっぷりつけちゃいますけども、つけ汁の温度変化(だんだんぬるくなっていく)に応じて、初めは一部だけつけて、徐々につける量を増やしていく、という食べ方が合理的だ(^O^)という意見もあります。つまり熱いうちは味が強く感じられるため一部つけるだけでもよく、さらにそうすることでつけ汁を冷やさないようにするという目的があると。

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