お好み焼きの本(2)

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■【お好み焼きの本(1)】の続き。

 もちろん他にも「なるほど」と思うところはたくさんある。
 私がガッカリしたのは「技術」という部分が期待はずれだったという点で、特にお好み焼店の経営コンサルタント的な部分については「なるほど」とか、「商売ではこう考えるのね」とか、「これがコンサル的手法ね」とか、いろいろ勉強になる部分があった。

 というわけで、そういう部分も紹介しておこう。

 生地とソースのバランスが大切です。食べた時に生地もおいしいし、ソースもおいしいと感じるバランスが売れるポイントになります。
 ソースの味が突出して感じられたり、生地の味が強いのは売れ続ける味とは言えません。
 
 お好み焼も焼そばも、肉や魚介をたくさん使うほどおいしくなるものではありません。だし、ミックス粉、麺、ソースのバランスの良さが最終的なおいしさを決めます。それぞれがおいしくても、足しておいしくなるとは限りません。そのバランスの良さはいろいろ試して発見できます。味にお金をかけるとは、原価をかけることではなく、1つの味に決めるまでに何度も試作することでもあります。

 なんてフレーズは「どの業界でも、きっと同じだよね」と思わせる。
 バランスはとても重要ですよやっぱり。(^O^)

 私のような素人が、家で自作するのに役に立てられそうな記述もある。

山芋の粉末が入ったお好み焼き粉は便利ですが、いろいろ試した結果、おろしたてのフレッシュの山芋を加えたほうが断然おいしくなります。手間ですが、この手間は売上を伸ばす手間です。

 なるほど、やはりそうですか。「いろいろ試した結果」というのはやっぱり説得力があるよね。(^O^)

 焼そばは麺を味わうメニューです。ソース味を味わうメニューではありません。ここがまず大切な点です。しっかり麺に火を通さないでソースを合わせると、麺の中にソースが入っていかず、食べたときにモコモコした感じがします。後味にもソースの味が強く残ってしまいます。実は家庭でフライパンで作られる焼きそばのほとんどが、この状態になります。大きな鉄板で焼く利点を十二分に活かして、麺をおいしく炒めましょう。

 焼きそばに向き合う時の心構えとして、これを意識して作るかどうかでいくらかは味が変わりそうな気がする。技術もほしいけど、こういう意識の部分を提示してくれるのはいいと思った。

焼きそばの悪い作り方例

麺を広げないで炒めると麺のコシがなくなる。
麺や具材をコテで持ち上げては返すと、炒めている気分にはなりますが、炒まりません。麺が重なれば上に熱は十分に伝わりません。つまり、水分が飛ばない、こしのない麺が混ざってしまいます。

鉄板の温度が低いとソースが麺にのらない。
麺1本1本が加熱されてしまったところにソースが加わると、ソースが麺にからむと同時に麺の中に入っていきます。鉄板の温度が低かったり、ソースをかけるタイミンクが早いとソースが麺にのらず、鉄板の方に流れてしまい、ソースが焦げて鉄板に残ります。

鉄板の一か所で炒めると焦げつく。
麺を広げず、1か所で炒めると焦げやすくなります。焦げたところからは麺に熱が伝わりにくくなります。焦げた鉄板の上でいくら炒めても、こしのある麺にはならず、ソースものりません。

 最後のやつなんかは特に、大きな鉄板で焼くことができるという、お店ならではのアドバンテージなんだろうな。

 ためになったね~。\(^O^)/
 いやマジで。
 
 営業・経営という部分の記述で面白かったのは......。

広島風お好み焼

ボリュームの見直しが新しいカギ!
 混ぜ焼の大阪風お好み焼は生地とキャベツの分量がほぼ半々であるのに対して、広島風お好み焼は生地の分量が少なく、生地の約4倍ものキャベツが入ります。しかも、麺(そばかうどん)も重ねます。ですから、ソースは甘くて個性的なものがよく合います。広島風お好み焼によく合うソースを大阪風お好み焼に使うと、個性を強く感じるでしょう。
 大阪風お好み焼とソースを共有しにくいので、広島風お好み焼を売るなら専門店にするのがいいと思います。また、広島風お好み焼は麺が入るので満腹感が高まります。鉄板焼メニューを揃えて、酒も売れる店にすることがお好み焼店のこれからの繁盛要素なので、お好み焼だけで満腹にならないよう、分量を調節した広島風お好み焼にすることがこれからの課題です。

 このあたりはやはり、単純に「うまくて腹一杯」みたいなのを目指す家庭料理とは立脚点がまったく違うということを改めて感じた。商売ってこういうものよね。

 あと、ここまで明確に(「共有しにくい」とまでいわれるほど)大阪風お好み焼と広島風とのソースが区別されているなんて、思わなかった。

 これはほんと、なるほどなあというところ。
 前段と「ですから、ソースは甘くて個性的なものがよく合います」をつなぐ論理がイマイチよくわからないものの(^^;、言われてみれば確かに関西の地ソース界では甘いソースは少数派で(もちろんあるが)、むしろ甘味よりも酸味が勝っているものが多い。今さらかもしれないが、これは目からウロコだった。

 また、店舗を作る上でのこの↓アドバイスも、「そうだよね、やっぱり」と共感した。

「ちょっとお洒落」は禁物。 お好み焼が売れる店づくりの徹底を。

たとえ着物で接客したとしても、お好み焼店ではマイナスが大きい
 地方都市に多いのですが、お好み焼店で経営者の方が着物で働いていらっしゃる店があります。いい服で働くと店の雰囲気が良くなると思っているようです。しかし、実際は全く逆です。お好み焼店にはお好み焼店にふさわしいユニフォームがあって、それより高級感のある服装だと、お客は落ちつかないし、また来にくくなるのです。
 着物姿で働く従業員の人に650円のランチも頼みづらいものです。
「いや、着物で接客するんだから、650円は凄く安く感じるでしょう」と思っていたら、お客の気持ちとは大きくズレています。この発想が基盤にあったら、売れるメニューを考えていくことも不可能でしょう。
 着物で働くことで、お客を選択してしまうことを知っておきたいです。それより、お好み焼店はお好み焼店のレベルで商売することです。着物を着たり、ちょっと高そうな皿を使ってみたり、ついつい「ちょっとお洒落な店」をやりたがる人が地方都市には多いのですが、それが商売の足を引っ張ることが多いのです。
「自分だったら、こんな器を選んで、こんなデザインのテーブルにして」という思いがあるのはわかります。しかし、一番大切なのはお好み焼が売れる店づくりをすることです。その一番大切なことから離れないようにし、自分の思いに流されないようにしたいものです。

見栄で仕入れる酒は置かない。お好み焼店の平均レベルを守ろう!
 少しお酒の知識がある方が開業されるとき、「ちょっといい酒」を仕入れてしまうことがあります。
「このお酒、飲んだことございますか。富山の地酒で、地元でもなかなか手に入らない銘酒なんですよ」
「この大吟醸は素晴らしんですよ。香りが絶品で」
 いい酒を仕入れて、こんな自慢をして売りたくなる気持ちはわかります。
 お客も、せっかく店主がすすめるのだし、断るのも気が引けるので注文するでしょう。その大吟醸が1合で千円なら、急にその日の客単価が上がります。
 お客は会計のとき「あれ?」と思います。「すすめられたから注文したけど、結構高くついたな」「おすすめと言うから飲んだけど、高いの飲まされたな」という気持ちです。少し不信感が生まれてしまいます。
 ワインも同様です。経営者自身が好きで知識もあると売りたくなります。でも、フルボトルで3千円、4千円ではお好み焼店では売れません。お好み焼店ではグラス1杯が500円が限界です。その限界を守る、平均レベルの酒を売る大切さを忘れないようにしましょう。
 私の店ではお好み焼店なのにハーフボトルですがワインが年間に600本以上出ます。それも、ハーフボトルで950円のものだけを売っているからです。グラスで400円のワインです。
 酒を売ることは、これからのお好み焼店で重要なことですが、場違いの酒は置かないで開業しないと、最初につまづいてしまいます。


 
 赤い地に大きく「お好み焼」と書かれた提灯は似合います。遠くからでも発見してもらえます。赤い色が値段の安い店であることも伝えます。それを、他の色の提灯でもいいだろうと簡単に変える人がいます。乳白色の和紙風のものを選び、そこに書く「お好み焼」の文字も小さく、店名も小さく書きます。するとどうなるでしょう。昼は気がつかなくても、夜になって明かりを灯すと、和紙の提灯では遠くから見てお好み焼店には見えません。店名が小さいと値段が高い店に錯覚されます。

 
 結局、商売で大事なのは安定した基盤を築くことであり、そのためには「基本が大事」と「背伸びをしない」ということなんだと思う。

 この業界(お好み焼・たこ焼業界)は、(例えばラーメンなんかに比べても)「他と同じ」「いかにものお好み焼店」という店舗がちゃんと売上につながる業界なんだろう。確かに町にあるおばちゃんのたこ焼き屋さんは、少なくとも店舗形態上はどこもさほど変わらないし、客もそんなところで店を選んでないと思う。つまり客もお好み焼屋に関してはかなり保守的な価値観を持っていると。
 とすればこの業界での「逸脱」は、よほど慎重にやらなくてはいけないのだろうな。

 ......ということを言ってるんだろうね、著者は。これはよくわかった。

#しかし「地方都市に多い」というのを何回も言うのは、著者はよっぽど「そりゃイナカモンがやることだ」って言いたいんだねえきっと。(^O^)
 
 あとなるほどと思ったのは、店舗設備について。

 著者は店舗設備の中で、クーラーと看板(テント)だけはケチってはいけないという。この2つ、特に店舗におけるクーラーの重要性を強調している。

クーラーは現代のお好み焼き店にとって大切な設備です。資金が足りないからと、馬力の小さな方を選んで開業しては負けが見えています。

 といい、新築店舗でクーラーをケチるくらいなら居抜きで強いクーラーをつける方がよっぽどいいとする。そして資金がないからクーラーを小さめにするくらいなら開業を延ばす方が得策だとまで。

 これもなるほどだなあ、と。

 持ち帰りはこの場合関係ないとして、店舗内で汗だくで食べるのは、まあそれはそれで情緒はあるけれどもやっぱり現代では考えづらいわねえ。というか、クーラーのある店に行くか、ない店に行くかというのは、味によっぽど圧倒的な差がない限り、勝負は見えるもんねえ。

 なお著者はここで、クーラー設置の費用がない場合の段階的開業策を紹介している。言われてみればなるほどということだが、それはここでは書かないでおこう。知りたい人は本を買ってあげてね。(^O^)

突然食いたくなったものリスト:

  • C.C.Lemon ZERO

本日のBGM:
All The Day /FLOWER TRAVELLIN'BAND

ライブ行ったよよかったよ~~~~~! これは1曲目でやった。

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