またダメダメな店に入ってしまった。
先日も近所でそういう店を見つけたが、今回もなかなか考えさせる店だった。
さすがに店名は出さない。
というか、この中には不確定情報や私の推論も多分に含まれているので、むしろこれはフィクション上の店だと解釈していただいた方がいいと思う。
出しているラーメンの味は極端に「マズい」というほどではない。
その意味では他の要素がしっかりしてれば地元客もついて、欲張らなければ食べていける程度にはやっていける店のように思う。実際、ある時期まではそうだったそうだ。
しかしどうもこの店主、あまり人柄というか、身持ちがよろしくない。
ギャンブル好きで借金がたくさんできて、「生活できる」程度の儲けではどうしようもなくなった。
そこで一発を狙って移転したのが某大学の門の真正面。駐車場もなく、100%学生狙い(というか学生頼りというか)の出店。しかしこの門は最寄り駅から遠い方の門で、学生の多くが別の門から出入りする。しかも学食がそこそこ充実していて、学生の多くが昼御飯を外まで食べに行くことはないようだ。出てきたとしてもこの店の近くにも安い食堂がいくつかあり、その中でここのラーメンを食べに来る学生はほとんどいない。
というわけで売上は激減。店を閉めようかどうか迷っている状態だと。
もちろんこれは店主に直接聞いたわけではなく、あくまで間接的な(しかし確かな)情報。
で、このラーメン。

炒めたモヤシを載せて出てくる。この炒め方はとてもいい。炒める時に中華鍋から炎が上がるところなんて、とてもいいデモンストレーションになると思う。食べてみても、シャキシャキ感のある非常にいい仕上がりになっている。
しかし他が全然ダメ。
チャーシューは今時フードコートやサービスエリアでも見かけることがなくなったハムみたいなシロモノ。21世紀になってこのチャーシューにお目にかかろうとは、この日まで思ってもみなかった。
スープはなんとなく製作過程が透けて見えた。安物の豚骨と鶏ガラを使った薄いスープに、醤油と塩と大量の化学調味料で作った返しと合わせる。
ところがこの返し(醤油ダレ)は「古い醤油を使ってるなぁ」と解ってしまう。
醤油を温度管理の悪いところにしばらく放置すると、独特の香りが出る。これはきっと「腐る」とは違うのだろうけども、品質の劣化であることは間違いないと思う。
そんなのが透けて見えちゃうスープってどんなんだよ?
テーブルの上に餃子用の酢醤油があったのでナメてみたら、明らかに同じ醤油を使っている。もちろん劣化味。なんじゃこりゃ。
さらに悪いのは麺。
製麺所から仕入れる麺には、最低ロットというのがある。1玉単位で製麺なんてできないわけで、1回製麺機を回すと最低限これだけの量の麺が出来上がるのでそれは取ってくださいね、という量。(例えば......非常に単純化していえば、10kgの小麦粉で加水率35%の麺を1玉150gで作ったとすれば、(10kg+3.5kg)÷0.15kg/玉=90玉の麺が1回の製麺で出来上がることになる)
ところがこの店は1日に出る数が少ないため、麺を最低ロットで仕入れてもどうしても余ってしまう。製麺所の麺は添加物を入れて日持ちするように出来ているが、それでも捌けないくらい客が入っていない。ではどうするか。なんと麺を冷凍して保存しているのだ。それを解凍して出すのだと。
こんなの旨いはずがない。
それでも「マズい」になんとか落ち込まずにすんでいるのは、私の優しさと((^O^)ウソ)、化学調味料ともやしのお陰かも。まあ別に「マズい」と言い切っちゃったとしてもさほど罪の意識は感じない。
でね。
このラーメンを食べた感想は、
「この店主、誠実にラーメンに向き合ったらそこそこのものが作れるだろうに」
ということ。これは主にモヤシの炒め方を見てのことだけども。しかしそれはないのだろう。
聞くところによるとこの店主、ラーメンが好きではないらしい。
一般論で言えば、ラーメンが好きでない店主がいてもいいと思う。好きに越したことはないと思うが、そうでなければないで、その分見えるところもあるかもしれないし、商品に真剣に向き合いさえすれば旨いものは作れると思う。好きな人よりも何倍も真剣に向き合う必要があるだろうけども、不可能ではないと思う。
ところがこの人は、好きでもないくせに真剣に向き合ってもいない。
きっと自分が作るラーメンを旨いと思ってはいないのだろう。
これが旨いと思ってるとすればそれはそれで問題だ。
ところが恐らく、
「自分は好きではないが、こういうのを旨いと感じる人もいるだろう」
と考えているのだ。世の中にはいろんな好みの人がいるから、と。
アホか。
自分自身で完成形が見えてないから「こんなもんで」の寄せ集めができる。
最初から評価を客任せにしているから失敗作の判断も出来ない。
もっといえば、客をナメているのだ。
そしてラーメンをナメている。
「このくらいのもんをこの値段で出したら、客は喜んで食いよるやろう」
なんてぇのは、よほど極端な商品で勝負すれば別かもしれないが、まあたいていは机上の空論でしかない。
もう経営的に手遅れかもしれないが、この店主には是非心を入れ替えてもらいたいと思う。
学生はたくさんいるから、この程度でも旨いと感じるヤツもいるだろう、そういうやつを引っかけて......みたいな発想で商売なんかできないよ。少なくとも周りでずっと商売している他の食べ物屋さんは、あなたよりずっと誠実に真剣に商品や学生(客)と向かい合っている。たった4年かそこらしかいない学生だって、そういう誠実さや真剣さを簡単に見抜くよ。......つまり客が感情と意志を持った人間であるという、あったり前のことをきれいさっぱり忘れてるのだ。
このまま行くのだったら、ほんとに座して死を待つのみだぞ。
テレビ、雑誌といったマスコミに紹介される店、ブログに紹介される店......それよりも実際にある店は圧倒的に多い。テレビ、雑誌で紹介される店は必然的に限定されるけれど、本来制限のないはずのブログですら、ほとんど全く紹介されていない店というのは実はゴマンとある。
紹介しないには紹介しないなりの理由があり、そしてそれは案外?誰でも同じように感じているのだ。
つまり、いくらネット上で酷評されていても、それですらあまたあるラーメン屋の上位数十%に入っているということ......かもしれない。(^O^)
突然食いたくなったものリスト:
- 塩焼きそば
本日のBGM:
夕映えよ心の鳩を抱け /雅夢
あらまあこんな曲までYouTubeにはあるんだなあ。

こんにちは。
醤油と言えば逆流防止弁付の容器に入った醤油がどっかで紹介されていましたね。ヤマサ醤油だっやかな。醤油の劣化に悩む私達には結構な朗報かも。
>つんちゃん さん
本来は普通に冷暗所保存さえできればさほどひどいことにはならないのでしょうけど、家庭ではなかなか難しいですよね。
考えてみれば、醤油の容器というのはさほど密閉性に心を砕いていないように思えます。「こぼれない」という程度ですね。
(昔、自作ビールキットが出だした頃に醤油の入っていた瓶を使って作ったら、ことごとく気が抜けていてガッカリしました(^^; )