麺野郎 by 麺哲@あべの近鉄

 現在(2009/06/11~17)、阿倍野近鉄で開催されている「グルメ博覧会」に麺野郎(by 麺哲)が店を出している。

 このイベントは2年前に「周富徳との邂逅」というエントリで書いたイベントらしい。
 どうして今回は「第○回」「特選」の文字がないのかはよくわからん。

 リンク先を見ていただければわかるが、このイベントは麺野郎(by 麺哲)がメインとなっている。
 凄いねえ。

 うむ。

 ここでは麺哲が夏限定で出している「盛り」(ひやひや)と麺野郎のつけ麺(ひやあつ)(100食限定)を出すという。

#両方とも麺とつけ汁が別々に供される「つけ麺」の形式で、「ひやあつ」とは麺が冷たくてつけ汁が熱いものをいい、「ひやひや」とは麺もつけ汁も冷たいものを言う。

 麺哲につけ麺があることは聞いてはいたが、タイミングが悪いのか一度もお目にかかったことがない。夏に行ったことがなかったのかなあ。コケッコ

 というわけで、豊中まで行くことも頻繁にはないだろうし、ついでもあったので今回このイベントに足を伸ばした。



会場。
奧に見えてるのは私のお薦めのホットドッグ店、岡本の「Brats」。
食べたけど店のとは違うものでイマイチだった。prz



本日分 完売いたしました

 100食限定だという麺野郎のつけ麺は既に売り切れ。しかし私は麺哲盛りを食いに行ったので問題ない。


801円と書かれているが、会計時は800円。
ちょっとわけわからん(^O^)


 見た目が非常にきれい。うどんもそうだけども、麺がきれいに流れている姿ってのは非常に美しいね。(^O^)


盛り(¥801)@麺哲

 具はネギ、チャーシュー。横にワサビではなく柚子コショウが添えられている。
 麺は普通の太さのストレート。全粒粉入りなのかな。点々が見える。
 つけ汁は、ソバつゆ?だなあ。私にゃよくわからないのだけども、カツオ(か、他の節)が結構立っている。燻しっぽい香りが強かった。知識がないのでこれが何由来の香りかよくわかってない。すまぬ。


麺近影

 ソバつゆそのまんまのつけ汁になっているのは、これが「ひやひや」(麺だけじゃなくつけ汁も冷たい)だからなんだろうなあ。特に脂が使えない(固まるので)となると、採れる方法は限られるもんね。
 冷やし中華のように酢・醤油+ごま油あたりを主体にしたり、ごまだれみたいなのを使ったり......。冷たいつけ汁自体を作ってる店があまりないので、バリエーションもさほどないのだろう。

 で、麺哲が選んだのはソバつゆタイプのつけ汁であると。

 このつけ麺(名前は「盛り」だけどそう呼ばせてよ)はかなり考えられたものだと思う。

 ざるそばのように食べさせるのなら、一番問題になるのは中華麺のかん水臭さだ。
 全粒粉はそれをカバーするために入れてあるのだろうし、香りが強いダシが採用されているのもそのためだと思う。



あれま、こんなものまで。(^O^)

 この中で一番考えられていると思ったのは、チャーシュー。
 豊中の麺哲のラーメンや池田の麺野郎のつけ麺で使われているチャーシューはかなり分厚めの、「塊」と表現してもいいような豪快な切り方のものだ。しかしこのつけ麺に合わされているチャーシューは薄切りで、脂が適度に乗ったものだ。これを片面だけ炙ったものが2枚、添えられている。

 つまり、皿の中でチャーシューだけは温かい。

 これはいいね。

 まず温かいのがいい。
 当たり前じゃないかって? いや違うのよ。
 満月玉五郎なんかで経験したことだけども、チャーシューを冷蔵庫から出してそのまま麺の上に載せる店がある。
 するとどうなるか。
 簡単に想像がつくだろうけども、脂肪の部分が真っ白のまま出てくるのだ。
 これはさすがに、ねえ。
 せっかく手間をかけて仕込んでるのにそんな状態で出すなんて、努力のしがいもないじゃないか。

 もちろんつけ汁が温かければ、それにチャーシューを入れておけばすむことなのだけども、「ひやひや」だとそういうわけにはいかない。

 だから出す直前に加熱しなくちゃいけない。
 炙ると香りも出るし、脂が溶けてうま味になっていいことだらけだ。

 なんせこのつけ麺には、脂分がこのチャーシューにしかないのだ。
 豚脂の融解温度が40度前後なのだから、豚脂(チャーシュー)でうま味を出そうとすれば、これ以上の温度にせざるを得ない。「『ひやひや』だからチャーシューも冷たく」なんていうつまらない固定観念は、「うまいもの」の上位に来てはいけないんだよなあ。当たり前のことなんだけどね。
 この脂が、このつけ麺の中でどれだけ存在感を持っていることか。
 「ラーメン」類のアイデンィティが中華麺と脂であるなら、このチャーシューこそがこのつけ麺を「ざるそばの代用品」という立場から解放している。

 このチャーシューはそして、麺と一緒にほおばることを前提に添えられているのだと思う。
 肉だけで食べると少々脂っぽいし、筋も切れにくかった。
 しかし1枚を麺と一緒につけ汁につけて一度にほおばると、食感が麺とちょうどいいバランスになる。しかも肉の味と脂の味がさっぱりとした出し汁と一緒になって、なかなか絶秒な感覚だった。こりゃ素晴らしい。そして根本的なところで、肉がうまい。(゚Д゚) 2枚しかないのが恨めしいくらいだ。

 というわけで、このつけ麺はこのチャーシュー抜きには考えられない。
 これらのチャーシューのスタイルはちゃんとデザインされたものであって、もちろん惰性や偶然から出たものではない、はずだ。だから私はこのチャーシューは絶賛。\(^O^)/

 ただ、私が少し残念......というか意外に思ったのは、麺だった。
 もちろん庄司氏はまさに麺にこそこだわっているわけで、ここでミスをしているわけはない。つまり、これは意図したものなのだろう。

 私には、少し固いと感じた。

 庄司氏が昔言っていたが、彼はつけ麺の麺を氷では締めない。ゴワゴワの、ただ固いだけの麺になるから。だから冬で水道の水が冷たくなるときはわざわざお湯を足した水で締めているのだと。
 なるほどと思った。
 固いのと弾力があるのとは違うのだ。締めすぎて固い、茹でが短くて固い......「固い」にもいろいろあるだろうけれど、いずれにせよそれらは麺そのものの弾力による歯応えとは別種のものであって、庄司氏が作る麺は、弾力による歯応えこそが身上だと思っていた。(今でも思ってるけども)

 しかしこの麺は、庄司氏、あるいは麺哲麺野郎の麺とは随分と違うように思う。庄司氏の麺の特徴である、プリプリした食感はない。

 庄司氏の麺を「固い」と感じることがあるとは思わなかった。
 これが意外だった。

#あの庄司氏のことだから、これは「たまたま」ではなく意図したものなんだと思うんだ。

 まあ「ひやひや」はつけ汁が冷たいので、言ってみれば食べる前にお客さん自身が麺を一瞬「締める」ことになる。これは通常庄司氏がいつも作っている麺(ラーメン、つけ麺[ひやあつ])とは条件が全然違う。
 ひょっとしたらここで、考え方をガラリと変えたのかもしれない。
 「だったらこれまでの延長線上の麺ではなく、別の顔の麺を作ってみよう」と。
 これはいつもの麺哲麺野郎の麺の特徴を「ひやひや」の中で再現しようとしたものではなく、「ひやひや」という条件ならではの麺を追究したのじゃないかな。
 想像だけどね。

 このあたりの引き出しの多さが庄司氏の凄いところなのだと思うのだけども。
 うーん。
 確かにおいしい麺だったんだよ。それはそう。

 麺哲麺野郎の他の麺の感覚をこれに求めるのは間違っている......のだと思う。

 そうなんだろうなあ。

 でも、でも。
 この固さはやっぱり意外、そして私には少しだけ残念だったよぉ。
 ごめんよォ。

#しかし面白いもので、同行したYA君は麺とチャーシューについて、それぞれ私と正反対の評価をしていた。好みってことなんだろうねえ。

##いつかこのつけ麺の解説??みたいなのが訊けたらいいなあ、と思ったり。

 あ、あと、柚子コショウは少量でも存在感が強すぎて、せっかくの香りや味を呑み込んでしまう。これを使うのはかなり難しいと思う。

 ほんとはもうちょっとまとめてから上げたいのだが、YA君が今日中に上げろと圧力をかけるので(^O^)、上げときます。後でいくらか修正するかも。

突然食いたくなったものリスト:

  • 豚角煮

本日のBGM:
Living In A Box /LIVING IN A BOX






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